2023年6月16日
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学部長メッセージ

 

 

 

 「理学部の発展・活性化に向けて」

 昨年度までは副学部長として理学部を支えてきましたが、今年度から学部長として2年間、理学部の運営に携わっていくことになります。どうかよろしくお願いいたします。
 私は、学部長としての役割は「理学部の良さを引き出し、活性化するような活動を展開していくこと」であると考えています。地方国立大学は現在非常に困難な時期を迎えており、一言で「理学部の良さを引き出し活性化する」、といっても容易ではありません。国公立大学への交付金は大幅に削減され、代わって各大学には競争的な資金を獲得することが求められています。人員削減も進められ、常勤の事務職員が減るとともに、新規教員採用も抑制されています。また、AIやビッグデータ等を利用した新たな情報科学技術の発展・普及、地球温暖化などの環境問題の深刻化など、社会の急激な変化に伴い、新たな教育・研究課題も山積しています。さらに少子化による大学志願者数の減少、それに伴う大学の質の低下も深刻な問題となっています。このような社会の変化に対応するため、全国の地方大学で様々な組織改変が進んでいます。理学部でもこの社会の変化に対応するため、理学部の基本である数学科、物理学科、化学科、生物科学科、地球科学科という5学科に加え、創造理学コースという教育プログラムを2016年度に設立しました。このコースでは1年次に特定の学科に所属せずに複数の学科の科目を履修して幅広い知識を身につけ、2年次に自分の適正にあった学科に進学します。この新たな試みは導入から7年が経過し、放射科学教育を担う放射科学教育推進センターとともに、本理学部の大きな特色となっています。さらに昨年度からは数理データ関連の人材育成のために「実践データサイエンス育成プログラム」を開講するなど、新たな取り組みを行なっており、一定の成果をあげています。
 このように理学部では様々な取り組みを行なっていますが、どうすれば理学部をさらに、そして無理なく活性化をすることができるでしょうか?私はその鍵は「連携」にあるのではないかと考えています。現在、理学部では地元高校との連携強化に力を入れており、高校の先生との協力のもと、「サイエンスラボ in 静岡」という理学部の訪問見学会を行なっています。これにより、参加高校の1つでは前回の静大理学部の受験者数がここ数年で最高となっています。また、この活動を通して各学科・コースの先生が協力すれば、理学部をさらに活性化することができるという希望を持つこともできました。もともと本理学部の教員の教育・研究の質は高く、地元の優秀な学生の受験者が少しでも増えれば、自ずと理学部の教育・研究が活性化し、ひいては全国からの受験生も増えるのではないかと考えています。また、「同窓会との連携」も非常に重要であると考えています。現在、同窓会寄付講義において、実社会で活躍されている先輩方の話を学生が聞く機会が設けられています。この講義は学生のキャリア形成に効果をもたらし、学生の新たな可能性を広げることにつながります。この活動をさらに継続・発展させることによって、学生たちの学習意欲の向上・職業意識の醸成につながることが期待できます。
 今後、地方国立大学の置かれた状況はますます厳しくなることが予想されます。理学部のさらなる発展・活性化のためには地元の高校や同窓会との「連携」をさらに強化し、また地元企業とも協同し、新たな結びつきを広げていくということが必要です。そしてこの橋渡しをすることが学部長の重要な役割であると考えています。同窓会の皆様方にもぜひ、同窓会と理学部との結びつきの重要性をご理解いただき、ご協力をいただけると幸いです。

 最後に、同窓会の皆様方のますますのご活躍を祈念するとともに、今後とも静岡大学理学部にご支援をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。