高校生の皆さんへ
入学試験について
化学科の教育方針
(1)実験と講義の間のフィードバック
化学科のカリキュラムで特徴的なのは、実験に充てられた時間の豊富さです。実験では、自分の手を動かし、自分の目で確認するという自らの体験を通じて、講義で学んだ化学反応や物質の法則性を、生き生きとした知識として身につけます。さらに、実験を続けることで得られる化学的な洞察力は、様々な講義で知識や理論を学ぶときの意欲を促すために還元されます。実験と講義が互いを高め合うことを繰り返す中で、学生は化学を体感しながら学びます。
(2)担任教員制による指導
化学科では、教員1名が各学年の学生3名を指導する担任教員制をとっています。教員は担当学生の講義理解度や単位取得数などを常に把握できる状態にあるので、一人ひとりに目の行き届く、きめ細やかな教育指導ができます。
化学科のカリキュラム
化学科の履修区分は、(1)学科専門科目、(2)理系基礎科目、(3)基軸教育科目、の三つに大別されます。
(1)学科専門科目
- 1年:
大学で化学を学ぶための基礎学力を形成する。 - 2年:
有機化学、無機化学、生化学、物理化学の各分野を専門的に学ぶための素地を形成する。 - 3年:
必修科目である4分野の専門実験を通じて、2年次に習得した知識を定着させると共に、4年次での研究室配属に向けたトレーニングを行う。また、専門性に富んだ選択科目の学習を通じて、化学的思考力を深める。 - 4年:
研究室に所属して卒業研究を行う。指導教員のもとで先端的な研究課題に取り組み、研究の進め方やまとめ方、そして成果を発表する方法を身につける。
必修 | 選択 | |
---|---|---|
1年 | 基礎量子化学 基礎熱力学 有機化学I 有機化学II 化学実験 |
|
2年 | 量子化学I 熱化学 有機化学III 有機化学IV 基礎生化学 代謝生化学 無機化学I 溶液化学 論文演習 |
有機機器分析 無機機器分析 放射化学I |
3年 | 量子化学II 無機化学II 分析化学実験 有機化学実験 物理化学実験 生化学実験 |
構造化学 化学反応論 有機化学V 有機化学VI 構造錯体化学 反応錯体化学 情報生化学 応用生化学 放射化学II |
4年 | 化学卒業研究 |
(2)理系基礎科目
- 1年:
必修科目である数学は、科学を論じる上で必須の言語である。高校数学で学んだ内容を拡張し、2年次以降の化学専門科目で無理なく応用できるような学力を形成する。 - 2年:
化学以外の分野の実験方法を学ぶことで、科学をより広い視野で考察するための思考力を身につける。
必修 | 選択 | |
---|---|---|
1年 | 数学I, III(微分積分A, B) 数学II, IV(線形代数A, B) |
物理学I, II(力学, 電磁気) 生物学I, II(基礎A, B) 地球科学I, II(基礎A, B) |
2年 | 数学V, VI(統計, 微分積分C) 物理学III(現代物理) 機器分析科学入門I, II 物理学実験 生物学実験 地学実験 |
(3)基軸教育科目
- 1年:
英語および初習外国語が必修である。国際的な感覚に触れると共に、2年次以降に必要となる英語論文読解のための基礎学力を形成する。